映画館によって、朝1回目だけ過去の名画を上映する試みがあり、近年私の楽しみとなっていることを前回書きました。今回は映画と音楽の結びつきについて書いてみたいと思います。連休中に私が観たのは「シャレード」です。オードリーヘップバーン、ケーリーグラントをはじめウォルターマッソー、ジェームスコバーンといった古い映画ファンにはたまらないキャスト陣や、名監督スタンリードーネンによるカット割りの妙など、見どころ豊富な作品でした。しかしこの映画は映画史に残るほどの評価を受けているわけではなく、一番有名なのはヘンリーマンシーニの主題曲ではないでしょうか。7月の上映予定の中に「太陽がいっぱい」があるのですが、これもニーノロータによる有名な主題曲とともに、記憶に残っています。このような例を挙げるまでもなく、音楽は映画の価値そのものに多大に影響します。昨今はウォルトディズニーの「アナと雪の女王」が、主題曲とともに大ヒット中です。ディズニーの音楽も素晴らしいですね。「ピノキオ」の挿入歌「星に願いを」や、「白雪姫」の挿入歌「いつか王子様が」などは、映画を観ていない人も知っているスタンダードとなっています。
 前述のニーノロータは「太陽がいっぱい」や「ゴッドファーザー」の他、フェデリコフェリーニ監督の一連の作品の音楽を担当してきました。巨匠フェリーニの作品の質が1980年代に入ってから急に落ちたといわれた時期があり、ある記者が映画評論家の淀川長治さんに、その理由をどう考えるかインタビューしました。淀川さんはその問いに対し、「ニーノロータを失ったからではないでしょうか」と答えています。ニーノロータは1979年に亡くなっています。